説明
: 袋槍は槍の一種。普通の槍は細い茎を柄に差し込むが、袋槍は茎が袋状(管状)で、その袋(管)の中に柄を差し込み、袋(管)に開けた目釘孔から目釘を差し込む。製法は長方形の鉄板を円く曲げて袋(管)状にしてその上に身(穂)を継ぐ。袋槍は、穂先だけを携行し、柄は戦場近くで木を伐採して袋に差込み目釘を打って使用する。平時には夜行の時など杖の先につけて用いられた。黒田長政が袋槍を好んだが総じて袋槍は少ない。宣勝は肥後熊本住。古刀延寿鍛冶の末孫で熊本藩工。初め美作国津山の多田正利に学び、のち江戸に出て津山藩工の細川正義に学ぶ。明治四年(1871)75歳没。槍の製作を得意とした。本作は宣勝の大小袋槍。登録証連番(神奈川31824・31825)の由緒窺わせる作。大と小の各々に特別保存刀剣の鑑定書が付されている。大:刃長16.6cm/全長26.9cm/目くぎ穴2固 小:刃長11.2cm/全長20.1cm/目くぎ穴1固