説明
: 藤島派は越前国藤島に起こり、のち加賀国で繁栄した友重の一門。現存する作品のほとんどが応永(1394)以降の室町期。作風は身幅重ね反り頃合いで、備前伝に美濃伝を加味した作柄とされる。刃文は中直刃か末備前物と見える匂本位の腰の開いた乱れに、美濃伝風の尖り刃が交じる。帽子は焼崩れて表裏が異なる。地鉄は黒みを帯び、北陸肌があらわれ棟焼が多い。本作は、身幅重ね反り頃合いの美しい姿。地鉄は板目に地沸厚く付き、刃文は美濃風の尖り刃ごころを交えた備前風腰開きの互の目乱れ刃文。帽子は焼崩れて表裏異なる。藤島の特徴があらわれ出来が良い。2020年藤島極めで保存審査合格。