寸法
: 縦: 7.4cm 横: 6.9cm 切羽台厚さ: 0.5cm
説明
: 牡丹は高貴で美しく百花の王といわれ、不老長寿も意味する吉祥花。獅子は、身体に寄生して命を脅かす獅子身中の虫を抑えるため、牡丹の花から滴り落ちる夜露を浴びて無敵を保つ。また蝶は卵から幼虫、さなぎから羽化して蝶になる。変態が再生や復活を思わせる縁起物。本作は、牡丹に獅子と蝶を合わせて描いた無敵吉祥の図といえる。本作は一宮派極めの牡丹に獅子と蝶の図。一宮派は名工といわれる一宮長常を祖とする江戸後期の京都金工一派。画家の円山応挙や石田幽亭の影響を受け、写生風の花鳥動物や歴史上の人物を、高彫色絵あるいは片切彫平象嵌の彫法で精巧にあらわした。本作の構図及び獅子に唸らされる。