説明
: 本作は無銘うぶ茎で「島田」と極められた平造り寸延び短刀。 島田派は、室町時代に駿河国島田を中心に栄えた刀工集団で、義助、助宗、広助などの刀工が知られている。相州伝の影響を強く受けながら、備前伝や美濃伝の作風も取り入れ、幅広い作域を示した一派。 本作は、身幅広く重ね尋常、反りを抑えた平造りの寸延び短刀。地鉄は板目が流れてやや肌立ち、刃文は穏やかな細直刃。島田派には相州伝を反映した華やかな乱刃の作品も見られるが、本作は細直刃を基調とした落ち着いた出来を示している。 表には草の倶利伽羅と三鈷杵、裏には護摩箸と宝珠が彫られている。倶利伽羅は不動明王の化身である龍が剣に巻き付く姿を表し、三鈷杵、護摩箸、宝珠とともに仏教的な意味を持つ彫刻。これらの彫刻が刀身と調和し、本作に独特の趣を与えている。 茎は生ぶ無銘、舟底形で先細り栗尻。島田派の特徴を示し、作域の広さをうかがわせる平造り寸延び短刀。2004年保存刀剣審査合格。