説明
: 本作は、中国南北朝時代の画家張僧繇に由来する画龍点睛図小柄。張僧繇が龍の絵を描いた際、眼を描き入れると龍が飛び去ってしまうとして眼を入れなかったが、人々に請われて眼を描き入れると、たちまち龍が生命を得て天へ昇ったという「画龍点睛」故事。 赤銅魚子地に、画を描く絵師と雲間を飛翔する龍を高彫色絵で表す。画面に向かう絵師と、そこから抜け出たかのような龍が飛翔して雲を伴う。画中の龍が生命を得て現実の世界へ飛び出した瞬間を、小柄に表現した趣向に富む作。 「画龍点睛」は今日では「物事を完成させる最後の重要な仕上げ」という意味で用いられる故事成語であるが、この小柄ではその語源となった場面そのものを巧みにあらわしている。