寸法
: 頭: 3.37cm 縁: 3.8cm 腰: 1.36 cm
説明
: 岩本昆寛は代表的な町彫金工。書画俳諧を嗜み性格は風流洒脱。詩情を表現した絵風の高彫色絵を得意とした。横谷派の流れを汲みながら、奈良派の彫法も研究して独自の作域を創造し力作を遺した。 本作は、赤銅魚子地に高彫色絵を施し、鍬の柄や草枝に憩う鶫(つぐみ)の群れを表した縁頭。精緻な魚子地に、鳥たちの異なる仕草を巧みに捉え、秋の田園風景を情趣豊かにあらわしている。 昆寛には、若年期にも本作と同じ鍬に鶫の図を題材とした作品があり、神谷紋一郎著『岩本昆寛』(刊行1960年)には、その類似作品2点が掲載されている。本作は、それら若年期の作品に比して、精妙な彫技と色絵の調和に一段と円熟した境地がうかがえる。野畑に憩う鶫という何気ない田園の情景を、深い趣と豊かな情感をもって表現した、岩本昆寛の円熟期の優品。平成24年(2012)第48回重要刀装具指定。