寸法
: 縦: 8.8cm 横: 8.7cm 切羽台厚さ: 0.3cm
説明
: 本作は、鍛え良い薄手の鉄地を丸形に仕立て、耳際に洲浜紋を一つ小透とした甲冑師鐔。洲浜とは水辺に形成される砂洲を意匠化したもので、三つの円を連ねたような特徴的な形を呈し、古くから吉祥文様として調度や家紋などに用いられた。 甲冑師鐔は、その名の通り甲冑製作に携わった甲冑師によって製作されたと考えられる鉄鐔で、薄手に鍛えた鉄地と、素朴な小透などを特色とする。本作も厚さ僅か約2.5mmの薄手で、表には僅かな肉置きを持たせる一方、裏は扁平に仕立て、鍛え肌が明瞭に現れている。華美な装飾を排し、黒褐色に落ち着いた鉄味と鍛えそのものを鑑賞させる古雅な作。 洲浜紋の透際は比較的整然としていることから、さらに時代の上がる古甲冑師とはせず、江戸時代初期頃の作と鑑たい。 素朴さの中に力強い鉄味を楽しめる味わい深い甲冑師鐔。