説明
: 同田貫は、鎌倉時代末期(元応頃)に肥後守護職として重きをなした菊池一族の招きに応じ、京都山城より移住した名工延寿国村を始祖とし栄えた延寿鍛冶の末裔と伝えられる。本作の同田貫上野介(どうたぬきこうずけのすけ)は作刀の多くを同田貫上野介とのみ銘を切る同田貫初代の同田貫上野介正国。同田貫という地名がある肥後国菊池郡城北村稗方出身。兄は清国といい兄弟で加藤清正の姓を一字ずつ授かったと伝えられる。正国は加藤清正に召し抱えられ禄高一千石を賜り熊本城の御用刀工を仰せ付けられた。作風は実戦本位、剛健で切れ味抜群。「折れず曲らず同田貫」「兜割正国」と称賛される同田貫の代表工。また豊臣公征韓の役に清正と共に従軍して釜山に於いて日本刀を鍛えたことで有名。同田貫を名乗る刀工は傍系を含め五十数名あるが、著名なる刀工は初代上野介正国、九代大和守正勝、十代延寿太郎宗広、十一代延寿太郎宗春等がある。中でも初代上野介正国は人気、評価ともに秀でた存在。本作は、研ぎ減りと指表ものうちに瑕あるが、同田貫上野介が鍛えた生茎、刃長2尺3寸3分の力強い打刀。2023年保存刀剣審査合格。