説明
: 尾張関と極められた豪壮無比なる生ぶ無銘脇指。尾張関とは、濃州関から桃山期に尾張国清洲、さらに名古屋へ移住して来た新刀鍛冶。本作は直焼出しを伴うなだらかな互の目乱れに美濃伝の尖り刃が交じる。尾張関代表工の若狭守氏房、飛騨守氏房、相模守政常、伯耆守信高、秦光代らの特徴が窺える。附されている拵は、天空を駆ける龍を題材に特別注文で誂えた作であろう。最高級の技量が認められて1985年に無鑑査認定された上林恒平(かんばやしつねひら)刀匠(現在76歳)が鐔と小柄にその銘を刻し創意を凝らして手掛けた青貝微塵縞模様塗鞘脇指拵。鎺も特注品。2024年保存刀剣審査合格。