説明
: 近江守助直は、寛永十六年(1639)近江国高木の生まれ。のち大坂に出て初めそぼろ助廣(初代)に師事し、さらに越前守助廣(二代)の指導を受ける。寛文九年(1669)近江守を受領、延宝三年(1675)越前守助廣の嫁婿となり津田の姓を名乗り故郷の高木で鍛刀する。天和二年(1682)助廣が死去すると後継者として高木と大坂を行き来して一門を統括した。本作は、延宝八年(1680)の年紀ある助直41歳の壮年期作。刃区深く香包鑢の茎は銘字共に頗る健全。小杢目詰まる地鉄に沸が厚い小振りの濤瀾乱刃文の優作。2023年特別保存刀剣審査合格。