説明
: 本作は平成八年(1996)第42回指定 重要刀剣。以下図譜説明『康光は、盛光と並ぶ応永備前の双璧で、以後代々同銘が継承されている。銘鑑には右衛門尉を名乗る作者を初代応永頃とし、以降室町後期まで同銘五代の存続を数えているが、厳密な代別については尚今後に検討の余地を残している。この太刀は、姿は長寸で元先に幅差が付き、先反りが見られ、刃文は腰の開いた互の目を主調とするなど、室町前期の長船物の特色をよくあらわしている。常に見る初代康光に比して刃文に丁子が目立たず角張る小互の目を交えて総体に小模様の刃取りとなっており、また銘字の書風から二代康光と鑑せられるものである。練れた鍛えがよく、刃文も匂口が明るく冴えてよく働き、優れた出来映えをみせている。