説明
: 「水戸助政(直江助政)」と特別貴重刀剣認定書で極められた刃長二尺四寸八分(75.3㎝)の豪壮なる打刀。直江助政は越後の直江山城守兼続の末裔。先祖直江臼衛門が茨木郡神崎に移住して来たといわれ、助政は神崎で生まれ、父直江長次郎が寛政九年(1797)に亡くなると水戸に移る。はじめ市毛徳鄰と共に摂津の尾崎助高に学び、文化五年(1808)江戸に出て水心子正秀に入門。翌文化六年(1809)水戸藩工となる。天保三年(1832)頃からは、藩主水戸烈公の鍛冶御相手役を務める。天保五年(1834)70歳没。本作は、下目くぎ孔が生ぶ孔と思われ、元来は刃長二尺八寸三分(85.8㎝)の長大作。三寸五分の磨上ながら美麗な姿を保ち、小板目に沸の深い互の目乱れで出来が良い。幕末期の水戸刀然とした力溢れる刀。豪壮な刀を納める時代の黒蠟塗鞘打刀拵が付されている。