寸法
: 頭: 3.33cm 縁: 3.72cm 腰: 1.07 cm
説明
: 鎌を手にした仕事着姿の老人が天を仰ぎ、その足元に群生する木賊(とくさ)を配する画題は「木賊刈(とくさがり)」。古くは金家に始まり、安親が得意とした画題。木賊は水辺に生える植物で縦刻みの線があり、強靭で木など物を磨くことに使われた。「木賊刈」は、「謡曲木賊」で、子をさらわれひとり寂しく木賊を刈る老人が、往来の旅人に息子の消息を尋ね続けて年月が経ち、今日も息子の消息が分からずに日が暮れると天を仰いで一日の仕事を終えた疲れと虚無感が滲み出た場面。やがて老人は都から来て道に迷った若い僧に会うと、その僧が我が息子とわかり父子再会、喜びの物語りとなる。本作は、無銘木賊刈図縁頭。